2015年05月04日

生活コストは逆に高くつく。山形の田舎に暮らしてみてわかったこと。

 夢の田舎暮らしなどとあちこちで叫ばれていますが、本当にそうでしょうか。
 私は仕事の関係で、東北・北関東のいろいろな街で暮らしました。福島→宇都宮→仙台→山形→群馬と1年から2年スパンで実際に住んでみて、私にとって田舎に暮らすことはそれほどメリットがあるものではないなと感じました。
 だったら仙台・宇都宮・高崎などの地方都市のほうがよっぽど住みやすいし、コストもかからないと思います。


家賃は思ったほど安くない
 山形県南部に住んでいたことがありますが、驚くべきことに、これまで暮らしたどの場所よりも家賃が高かったです。豪華絢爛な部屋に住んでいたとか、そういうことではありません。普通の1Kの部屋で新築でもないにも関わらず、です。
 立地は便利でも不便でもないところでした。コンビニは近かったけど、スーパーまでは歩いて行けないほど絶望的に遠かった。
 逆に、私の住んでいたほぼ全ての地方都市では、スーパーもコンビニも徒歩圏内。家賃も安い。
 恐らく田舎では競合が少ないため、不動産価格が下がりづらいのだと思います。
 同様の理由からか、ガス代がものすごく高い。料理せずにシャワーだけ浴びてても毎月1万円は軽く超えていました。
 もっと山奥に行けばグッと安くなるのかもしれませんが、中途半端に栄えているところでは、むしろ高コストとなりそうです。


物価も普通に高い
 スーパーにおいてある品物も高いです。豆腐なんて1丁99円です。野菜なんて有り余っているかと思いきや、別に安くもない(直売所などに行けば話は別かもしれない)。
 それに比べ、地方都市である群馬県前橋市は物価が安いことで有名で、とあるスーパーでは豆腐が3丁99円、うどん1玉19円と夢のようなことになっています。仙台も比較的安かったのを覚えています。
 これも競合が少ないこと、そして消費者が少ないため薄利多売ができないことに起因すると思います。


クルマがなくては話にならない(あったとしても手に入る物は少ない)
 まず殆どが田んぼなので、店と店の距離が遠いです。上記とは別の山形の町に住んでいた時、そこは本当に家の周りに何もないところでした。会社の寮のため特別に家賃は安かったですが、見渡す限り田んぼで、夜になるとカエルの大合唱。
 試しに最寄りのコンビニまでビールを買いに歩いてみたことがあります。それは夜、街灯もない真っ暗な一本道をひたすら歩いて辿り着いたのは30分後。つまり、往復1時間です。大事なことなのでもう一度言いますが、それは「最寄りの」コンビニです。往復する間に、絶望的な気分を紛らわすためビール3本は開けました。
 電車の本数も1時間や2時間に1本と驚異的に少ないですし、クルマを持っていて県庁所在地の都市部に行けたとしても、もっと栄えた他県の都市部に比べれば手に入る物は圧倒的に少ないです。
 クルマを持てばあらゆるコストがかかりますので、ここでも余計な費用の負担を迫られるわけです。


とにかく雪がすごい
 一生分の雪を見たと思います。日本海側に限った話ですが、もう本当に大変。
 朝はクルマに50センチくらい積もった雪下ろしから始まります。雪に対する行政の防衛策は万全なので、だいたい未明に除雪車が出動し、駐車場から狭い道まで生活範囲内の雪は処理されることになっていますが、何日も降り続いた場合、「雪を捨てる場所がない」と街は騒ぎ始めます。
 加えて、11月や12月頃に大雪が降ってしまうと、まだ除雪車が準備されていないため、自分で駐車場の雪かきをする羽目になります。仕事を終えて家に帰ってきたら、雪のせいでクルマを止める場所がない、なんてこともあり、憤りを感じました。
 持ち家の場合、休日は屋根の雪下ろしに忙殺されます。
 雪のせいでそうやって貴重な時間が割かれるばかりか、アパートによっては消雪(駐車場からお湯がちびちびと出て雪が積もらないようにするもの)代金が家賃に上乗せされている場合もあり、やはりコストがかかります。


ゴミ袋が高い
 概ね都市部ではゴミに対して寛容です。ゴミ袋さえ指定されていないところも多いでしょうし、分別にもそれほどうるさくありません。
 それに対し田舎は、まず指定のゴミ袋が高価過ぎです。20リットル程度の小さな袋が10枚入ってなんと400円。ボッタクリとしか思えない。
 分別もなぜかものすごく細かい。ゴミ袋には自分の氏名を書いて収集所に出さなければならないのですが、それがなんか嫌だった。一度無記名で夜中に収集所へ持っていったことがあったのですが、翌朝、「町内会費を払っていない」という理由で家にゴミが返ってきました。
 町内会費なんて聞いてないよ。そしてなぜそれが俺のゴミだってわかったんだ。
 引っ越してきたばかりだったので、田舎ってこわいなと思いました。


仕事が少ない、賃金が安い
 上記で述べてきたように、田舎暮らしには意外とコストがかかります。
 それに比べ、求人は少ないですし、賃金もかなり安いです。最低賃金に近いような募集ばかり目に付きます。加えて、クルマがないと仕事の選択の幅も狭まります。
 田舎でのフリーター暮らしは現実的に不可能だと断言してもいいくらいです。


まとめ
 以上は私の経験ですので、それが田舎暮らしの全てではないとは思います。もっとコストのかからない場所も恐らくあるでしょう。
 悪口ばかり書いてしまった感はありますが、田舎で暮らした数年間は決して悪い思い出ではありません。自然に囲まれ、慌ただしくなく時間が過ぎ、人も温かかった。
 ただ、田舎暮らしでスローライフなどと持て囃されていますが、現実はそう甘くはないと言うのが私の見解です。一言で田舎と言っても様々な場所がありますが、特に本稿の論点である生活コストについては、いなかぐらしへ憧れに先行して熟慮する必要があると思います。
 それでも田舎で暮らしたいのであれば、理想と現実のギャップに愕然としないためにも、あるいは、生活の破綻を招かないためにも、前もって徹底的にリサーチし計画をきちんと練ることをおすすめします。


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田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)
丸山健二
4022646098
posted by ミヤオ at 01:30| Comment(0) | お役たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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